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災害時のトリアージ: 効率的な救助活動のために

災害時のトリアージ: 効率的な救助活動のために


目次[非表示]

  1. 1.概要
  2. 2.トリアージとは何か?
  3. 3.トリアージの歴史と背景
  4. 4.トリアージの分類方法
    1. 4.1.即時処置が必要(赤色タグ)
    2. 4.2.遅延可能(黄色タグ)
    3. 4.3.軽症(緑色タグ)
    4. 4.4.なし(黒色タグ)
  5. 5.実際のトリアージ実施手順
    1. 5.1.現場の安全確保
    2. 5.2.初期評価
    3. 5.3.タグ付け
    4. 5.4.隊員への連携
    5. 5.5.再評価
  6. 6.トリアージ訓練とその重要性
  7. 7.まとめ

概要

 災害時における迅速かつ効率的な救助活動は、人命を救ううえで非常に重要です。特に多数の負傷者が発生する大規模災害では、トリアージが必須となります。本記事では、災害時のトリアージの基本から、実際の現場での実施方法までを解説します。

トリアージとは何か?

 トリアージとは、フランス語で「選別」を意味する言葉で、医療や救急現場では、大量の傷病者が発生した際に治療の優先順位を決定することを指します。これにより、限られた医療リソースを最適に配分し、最も救命の可能性が高い人々に迅速に対応することができます。

 災害時には、医療資源が圧倒的に不足し、全ての患者に同時に対応することは不可能です。このため、トリアージは必須のプロセスとなります。トリアージをすることで、医療従事者は現場の適切な判断を支援し、全体の医療キャパシティを効率的に管理することができます。

 また、トリアージは医師や看護師だけでなく、救急医療技士や消防隊員など、多くの医療・救護関係者が共通して理解し、実践することが求められる重要な技術です。したがって、トリアージの基本をしっかりと学んでおくことが必要です。 

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kyuukyuu/saigai/triage.html

東京都保健医療局

トリアージの歴史と背景

 トリアージの概念は、ナポレオン戦争時代にフランス軍の軍医であったドミニク=ジャン・ラレーが初めて提案したと言われています。当時の戦場では、多くの傷病者が発生し、迅速な治療が求められていました。この戦場での経験を基に、傷の重症度や治療の緊急性に応じて患者を分類するトリアージが生まれました。

 その後、第一次世界大戦や第二次世界大戦を通じて、トリアージの手法は進化し、より体系的なものとなりました。現代の救急医療においても、トリアージは重要な役割を果たしています。例えば、大規模な自然災害やテロ事件など、短時間で多くの傷病者が発生する状況では、トリアージがなければ効果的な救助活動は不可能です。

 また、トリアージの手法は国際的にも広く認識され、異なる国や文化においても通用する標準的な医療手法として確立されています。日本でも、災害時の救急医療体制の中でトリアージが取り入れられており、医療従事者の訓練プログラムでも重要な要素となっています。

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トリアージの分類方法

 トリアージの基準には様々な方法がありますが、主に次の4つのカテゴリーに分類されます。

即時処置が必要(赤色タグ)

 生命の危険が高く、迅速な医療介入が必要な場合です。たとえば、重度の出血やショック状態、呼吸困難といった症状が該当します。このカテゴリーの患者は、時間が命に直結するため最優先で治療を行います。

遅延可能(黄色タグ)

 一定の時間をおいても治療に大きな影響がないが、早急な対応が望ましい場合です。このカテゴリーには、骨折や中程度の出血などが含まれます。黄色タグの患者は、一時的な応急処置を施しつつ、後の治療を待つことが推奨されます。

軽症(緑色タグ)

 生命の危険が少なく、自力で行動が可能な場合です。軽い擦り傷や軽度の打撲などがこれに当たります。緑色タグの患者は自分で移動することができ、時には助けを必要としないこともあります。

なし(黒色タグ)

 生存の可能性が低く、他の患者を優先する必要がある場合です。例えば、心肺停止状態や重度の外傷で蘇生が見込めない場合が該当します。このカテゴリーの患者には限られたリソースの中で、残念ながら救命の可能性が低いと判断されます。

 これらのカテゴリーを理解し、適切に分類することで、医療者は最適なリソース配分を行い、多くの命を救うことができます。

実際のトリアージ実施手順

 トリアージを実施する具体的な手順とその流れを以下に紹介します。

現場の安全確保

最初に行うべきは、救助隊員や医療従事者自身の安全を確保することです。また、周囲の環境が安全であることを確認し、二次災害が発生しない状況を作り出します。

初期評価

次に、傷病者に接近し、迅速に初期評価を行います。具体的には、呼吸の有無、脈拍の確認、意識状態のチェックなどが含まれます。これによって、患者の緊急度を即座に判断します。

タグ付け

初期評価の結果に基づき、適切なカラータグを使って患者を分類します。赤色タグの場合は即時処置を行い、黄色タグや緑色タグの場合は応急処置を施しながら後回しにします。

隊員への連携

タグ付けが完了したら、情報を救急隊や医療チームに迅速に伝えます。特に赤色タグの患者については、すぐに追加のリソースが必要であることを伝えます。

再評価

状況が変化することを考慮し、定期的に患者の状態を再評価します。場合によってはタグの色を変更することもあります。

 これらの手順を徹底することで、全ての患者に対して適切な対応が取れるようになります。また、現場の混乱を最小限に抑え、スムーズな救助活動が行われます。

トリアージ訓練とその重要性

 トリアージを効果的に実行するためには、日頃からの訓練が不可欠です。消防署や救急病院では定期的にシミュレーショントレーニングを行い、実際の災害時にもスムーズに対応できる体制を整えています。この訓練により、救急医療技士や消防隊員、医療スタッフは現場での迅速な判断が可能となります。

 まず、シミュレーション訓練では、実際の災害状況を模したシチュエーションを作り出し、実際にトリアージを行います。これにより、医療スタッフは実戦さながらの環境で技術を磨くことができます。また、トリアージの手順や判断基準を振り返りながら訓練を行うことで、全員が統一した基準で行動することができます。

 さらに、地域住民にもトリアージの基本を理解してもらうことが重要です。災害時には、市民も応急処置やトリアージの初期段階を担うことができるようになることで、全体の救助活動がより効率的に行われます。地域の防災訓練や公開講座を通じて、トリアージの重要性を広く伝えることが大切です。

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まとめ

 トリアージは、災害時において人命を救うための最も重要な手段の一つです。正確かつ迅速なトリアージを行うためには、基本的な知識とスキル、そして日頃の訓練が必要です。この記事を通じて、トリアージの重要性とその実施方法について理解を深めていただけたら幸いです。そして、災害時における私たち全員の心構えとして、この知識を持ち続けることが大切です。

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