避難所開設キットやアクションカードを整備していても、実際の現場では
「次に何をすればよいか迷う」「避難所全体の進捗が見えにくい」といった声が聞かれることがあります。
東京都千代田区では、既存の避難所開設キットやアクションカードを活かしながら
避難所開設の実効性を高める方法を検証するため、避難所開設支援アプリ「N-HOPS」を活用したトライアルを実施。
区職員による避難所開設訓練の中で、紙のアクションカードとN-HOPSを併用し、運用の可能性を確認しました。
東京都千代田区では、避難所開設キットやマニュアルを整備し、避難所開設時の各班の役割を明確化する取り組みを進めてきました。
さらに令和7年度からは、アクションカードを用いた区職員による実動訓練にも取り組んでいます。
こうした取り組みにより、避難所開設の基本的な体制は整備されています。

一方、訓練を重ねる中で、いくつかの課題も見えてきました。
例えば、
各班の作業は進むが、避難所全体の進捗が把握しづらい
職員の経験差や異動によって手順理解にばらつきが生じる
複数の班が同時に動く状況で全体像を把握しづらい
実際の災害時には、このような状況の中で避難所開設を進める必要があります。
そこで千代田区では、既存の運用を尊重しながら避難所開設の実効性をさらに高める方法として、N-HOPSの活用を検証することになりました。

今回のトライアルでは、既存の
避難所開設キット
アクションカード
職員訓練
といった取り組みを前提としたまま、避難所開設の手順確認や進捗共有を補助できるかを検証しました。
既存の仕組みを置き換えるのではなく、現在の運用を補完する形で活用できるかを確認することを目的

トライアルは2026年2月14日、千代田区立九段小学校で実施されました。
区職員を対象とした避難所開設訓練の中で、既存のアクションカードを基に作成したN-HOPSを活用。参加者は各自のスマートフォンからアプリにアクセスし、表示される行動支援ガイドを確認しながら作業を進めました。
訓練ではまず「施設の開錠」の手順を参加者全員で確認し、その後、
総務部
情報部
給食・物資部
衛生・救護部
の4つの班に分かれ、避難所開設作業を実施しました。
作業内容は
受付設置
給水ステーション開設
物資配給準備
マンホールトイレ設置
など、実際の避難所開設に必要な一連の手順です。
今回の訓練では、既存の紙のアクションカードとN-HOPSを併用しました。
各班には紙のアクションカードが配布される一方、スマートフォンで閲覧できる参加者はN-HOPSを参照しながら作業を進めました。
その結果、
紙のカードで作業内容を確認する
スマートフォンで手順や情報を確認する
といった形で、紙とデジタルを状況に応じて使い分ける運用が自然に行われている様子が確認されました。
既存の仕組みを置き換えるのではなく、現在の運用を補完する形で活用できる可能性が示されました。
訓練参加者からは次のような声が挙がりました。
次の行動がわかりやすく、何をすべきか理解しやすい
他の班の進捗状況を把握できる
自分の行動が全体のどの工程に位置しているか分かる
写真付きの説明で手順が理解しやすい
行動の明確化だけでなく、避難所全体の状況を把握できる点に対する評価が多く見られました。
トライアルでは、避難所開設作業に対する自信度についてアンケートを実施しました。その結果、
訓練前:平均 4.47点
訓練後:平均 6.60点
と、約 2.13ポイント向上しました。
また、参加者の 67%が「N-HOPSがあれば避難所開設ができる」と回答しました。

今回のトライアルでは、
既存のアクションカード
職員による実動訓練
といった現在の取り組みを前提としたまま、避難所開設の手順確認や進捗共有を補助できる可能性が確認されました。
既存の避難所開設キットやアクションカードを活かしながら、訓練の中で段階的にデジタル活用を検証できる点は、同様の体制を持つ自治体にとっても参考となる取り組みです。

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