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行政はどこまで関わるべきなのか

訓練の合間に担当者の方と話をしていると、
避難所運営における行政の関わり方について、こんな言葉を聞くことがあります。

「本当は、住民主体で回ってほしいんです」

多くの自治体では、避難所運営は地域住民が中心となって行うことが想定されています。
しかし実際の訓練では、行政職員が先頭に立って進行する場面も少なくありません。

「住民主体」と「行政主導」

訓練を見ていると、
行政職員が説明役となり、作業の順番を示しながら進めていくことがあります。

その結果、訓練はスムーズに進みます。

一方で、担当者の方の中には、
こうした状況に少し複雑な思いを抱えている方もいます。

「住民主体と言いながら、実際は行政が回しているんですよね」

訓練の場では、行政が前に出た方が進行は安定します。
しかしそれが続くと、住民の側に

「行政が指示してくれる」

という前提が生まれてしまうこともあります。

行政が引くことの難しさ

担当者の方と話していると、
次のような悩みを聞くこともあります。

「本当は、行政が前に出すぎない方がいいと思っています」
「でも、手を離すと放置していると思われるかもしれない」

避難所運営を住民主体にしていくには、
行政が少しずつ前に出る役割から変わっていく必要があります。

しかしその一方で、行政には

  • 住民を支える責任

  • 避難所運営を成立させる責任

もあります。

そのため担当者の方の中には、
「支える立場に移りたいが、どこまで引くべきか分からない」
と感じている方もいます。

支える行政という関わり方

避難所運営は、行政だけでも、住民だけでも成立しません。

行政がすべてを進めてしまうと、
住民の側に経験が残りにくくなります。

一方で、行政が関与しなければ、
運営が不安定になる可能性もあります。

そのため重要になるのは、
行政が前に出続けるのではなく、支える形で関わること
です。

住民が動ける状態をつくりながら、
必要なときには支える。

そうした関係が、避難所運営には求められているのかもしれません。

N-HOPSが目指していること

N-HOPSは、避難所開設の流れを
スマートフォン上で確認しながら進めることができるアプリです。

住民が手順を確認しながら動くことができるため、
行政職員が常に前に立って説明し続ける必要がなくなります。

その結果、

  • 住民が主体的に動きやすくなる

  • 行政は支える立場で関与できる

といった形の運営を目指すことができます。

避難所運営において、行政がどこまで前に出るべきなのか。
その答えは一つではありません。

しかし、住民が自走できる状態を少しずつ作っていくこと。
それが、これからの避難所運営に求められている姿なのかもしれません。

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淺野 智雄
淺野 智雄
能美防災株式会社 総合企画室 社内ベンチャーグループ長。 自治体や地域の実情に寄り添った防災のあり方を模索し、避難所運営支援アプリ「N-HOPS」をはじめ、現場の課題から生まれる防災支援ツールの企画・開発・展開に取り組んでいる。 品質管理の現場からキャリアをスタートし、その後は中長期ビジョンの策定や新規事業開発など、経営と現場をつなぐ役割を担う。現在は自治体職員や地域の関係者へのヒアリング、避難所訓練への参加などを通じて、実際の運用現場から得た知見をもとに、防災の実装に関する情報発信を行っている。現場で起きている小さな迷いや工夫に目を向けながら、「誰でも動ける避難所運営」を実現する仕組みづくりをテーマに活動している。 趣味は料理・読書・筋トレ。朝の運動で一日を整えるのが日課。