
初動対応を遅らせない! 工場防災における共通課題とその解決策
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.共通の課題とは
- 2.1.①設備レイアウトの把握不足
- 2.2.②トラブル情報の一極集中
- 2.3.③初動対応の遅延
- 3.具体的な解決策
- 4.結論
はじめに
工場と防災は切っても切り離せません。
工場の防災担当者様へヒアリングをしていくなかで、みなさまがいくつか共通の課題を持っていることが分かりました。
ここでは、ヒアリングで得た共通の課題をお伝えします。
共通の課題とは
工場防災の共通の課題について、3点ピックアップしました。
①設備レイアウトの把握不足
広大な工場では、複数の建物やエリアが存在し、全ての設備の位置を即座に特定するのは困難です。
これにより、トラブル発生時に対応が遅れ、被害が拡大する可能性があります。
②トラブル情報の一極集中
工場では、トラブル情報が守衛所だけに一極集中している場合が多くあります。弊社が販売している火災受信機等も守衛所にて表示させることが多いです。
しかし、警備員が巡回中で守衛所に不在の場合、警報を聞き逃してしまい、初動対応が滞るリスクがあります。
③初動対応の遅延
①②の課題が重なると、対応の開始が大きく遅れる可能性が高いです。
例えば、自動火災報知設備が作動した際、まず守衛所でトラブル情報を把握し、その後担当者へ連絡します。
担当者が現地へ急行するまでに、5分以上かかることもあり、初動対応が遅れる原因となっています。
このような守衛所からトラブル発生場所までが遠いケースでは、対応の遅延が重大な事態を招く恐れがあります。
具体的な解決策
これらの課題に対処するため、以下の戦略が有効です。
- 設備位置情報のデジタル化:工場内の全ての設備をデジタルマップ上に登録し、リアルタイムでアクセスできるシステムを導入します。
これにより、トラブル発生場所を迅速に特定でき、初動対応のスピードアップにつながります。
- 情報共有システムの構築:トラブル情報を守衛所だけでなく、関連部署や担当者にも分散して共有できるようにします。
モバイルデバイスや専用端末を活用し、警備員が巡回中でもリアルタイムに警報を受信できる環境を整えます。
- 緊急対応手順の最適化:トラブル発生時の対応手順を見直し、移動時間の短縮や対応チームの迅速な派遣が可能な方法を策定します。
必要に応じて、施設内の移動手段(電動カートや自転車など)の導入も検討します。
結論
工場防災における共通課題である設備レイアウトの把握不足、トラブル情報の一極集中、迅速な初動対応の遅延は、適切な対策により大幅に改善できます。
工場防災の強化には、最新の技術を活用した情報共有システムの導入と、効率的な設備レイアウト管理が不可欠です。
これらの取り組みによって、工場の安全性を高め、潜在的なリスクを最小限に抑えることが可能となります。