
避難所訓練の振り返りと成長を支える工夫
避難所の訓練は、毎年少しずつ内容を見直し、改善を重ねていく活動です。
多くの自治体で 複数の避難所がそれぞれの地域事情に合わせて訓練を実施しています。
こうした積み重ねは、日頃から現場を支えている職員や関係者の皆さんの努力の賜物です。
ただ一方で、訓練後にこんな声が聞かれることもあります。
「去年よりうまくできているか、少し自信がない」
「改善はしているつもりだが、それがはっきりとは見えない」
これは珍しい話ではありません。むしろ、訓練の質を高めようとするからこそ出てくる自然な疑問でしょう。
目次[非表示]
現場の課題 ― 数字で見た実態
N-HOPSの導入検討時に実施した自治体アンケート(n=148)でも、こうした課題が明らかになりました。
- 参集職員や住民だけでは避難所開設が難しい(62.8%)
- マニュアルをうまく活用できていない(45.9%)
また、よく挙げられる声には
- 「マニュアルはあるが、現場で何をどう動けばいいか迷う」
- 「訓練の振り返りが次回に十分活かされていない」
- 「業務が一部の職員に偏っている」
といったものがあります。
これは 誰のせいというより、情報共有や記録の方法がまだ十分整っていないことが背景にあります。
訓練を「見える化」するという選択肢
こうした状況を踏まえ、N-HOPSでは 訓練の記録を自動で集計・見える化 する機能を提供しています。
- 訓練の実施回数を自動で記録
- 棒グラフで可視化
- 振り返りや次年度計画、報告に活用
例えばある自治体では、全避難所の訓練状況を一覧化したことで 「訓練実施のばらつき」が把握でき、今年度は 重点的に支援が必要な避難所が明確になったといいます。
また別のケースでは、これまで個人メモや口頭ベースだった 訓練時の改善点 が整理され、次年度にスムーズに引き継がれるようになりました。
まとめ
避難訓練は 回を重ねるたびに蓄積されていくべき知見や経験があります。
それを 可視化し、次につなげる手法のひとつとして、N-HOPSの見える化機能は活用できます。
もちろん、ツールを入れることが目的ではありません。
「去年より今年、やれることは増えているか」 という問いに、少しでも確かな手応えを持ちたいとき、ひとつの選択肢として考えてみる価値はあるかもしれません。