
若者が動かない理由、それは“やる気”不足じゃなかった!
避難所運営訓練や地域の防災訓練で、若者に「やってみて」と声をかけても、なぜか動いてくれない──。そんな経験、ありませんか?
「声をかけても反応が薄い」
「関心がないように見えるし、やる気も感じられない」
でも実は、その“動かない”には明確な理由があります。
しかも、それはやる気の問題ではないのです。
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若者は「やる気がない」のではなく、「失敗したくない」だけ
Z世代(1990年代後半〜2010年前後生まれ)は、失敗に対してとても敏感な世代です。
ネットやSNSで情報を集めてから動くことが習慣となっており、何かを始めるときには「正解」や「やり方」をまず知っておきたいと考える傾向があります。
「間違えたら迷惑をかけるかもしれない。だから慎重になる」
「やりたい気持ちはあるけれど、ちゃんと理解してからでないと動けない」
こうした声は、若者の“やる気のなさ”ではなく、真面目さと責任感の表れです。
動かないのではなく、動けない理由があるということです。
世代間の「普通」がすれ違いを生む
私たちが当たり前に思ってきた、「まずやってみる」「見て覚える」といった指導のスタイル。
これがZ世代には「説明が足りない」「不親切」と映ることがあります。
Z世代が安心して動ける条件は、次のようなものです:
- やることの目的や理由がはっきりしている
- 手順やゴールが最初に明示されている
- 「ここから始めてみよう」といった小さな一歩が用意されている
つまり、「最初から全部説明するのは甘やかし」ではなく、「前提を共有することが信頼関係になる」という考え方が大切なのです。
いまの防災訓練、若者にはどう見えている?
防災訓練の現場では、従来の形式がZ世代にとって理解しにくいケースがあります。
たとえば、訓練の冒頭で講師がマニュアルを読み上げるだけの進行では、情報が一方向に流れるだけで頭に入ってこないと感じがちです。
また、役割や流れが曖昧なまま「やってみて」と言われると、自分に何が求められているのか分からず、不安で動けないという反応になります。
さらに、分厚い紙のマニュアルを渡されても、「どこから読めばいいのか分からない」と感じてしまい、かえって行動を妨げる要因になることもあります。
Z世代にとっては、“わかりやすく整理された情報”が、動き出すためのきっかけになるのです。
「やってみて」と言わなくても動ける仕組み
Z世代の特徴を踏まえた実践型訓練ツールがN-HOPSです。
N-HOPSは、避難所運営をロールプレイ形式で体験できるキットで、役割や判断の流れがカード形式で可視化されています。
初めての人でも戸惑うことなく、「いま何をすればいいか」がひと目で分かる設計です。
未来の防災を担うのは、今の若者たち
Z世代は、きちんと伝えればしっかり動いてくれる世代です。
彼らが動けないのは、やる気がないからではなく、「安心して動ける環境が整っていないから」
訓練の設計を少し工夫するだけで、「やってみて」と言わなくても、「やってみたい」と自ら動き出す若者が増えていきます。
その第一歩を支えるツールが、N-HOPSです。