
備えるって、難しい。でも“少しの反応”が命を守る──防災と心のバランスを整えるヒント
自宅の備蓄、ちゃんとできていますか?
水、食料、トイレ、充電器、ライト……頭では分かっていても、
「結局使わなかったら無駄かも」「そこまでやる必要ある?」
そんなふうに思って、途中でやめてしまったという人も少なくないのではないでしょうか。
身構えすぎて疲れる。だけど、何もしないのも不安。
防災って、意外と“ちょうどいい加減”が難しいものです。
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避難も、過敏すぎず鈍感すぎず。大切なのは“判断力を失わないこと”
いざという時の避難も、備蓄と同じで「やりすぎても空振り」「遅れれば命取り」。
だからこそ、心のバランスと判断の柔軟さが求められます。
少しでも煙を感じたら逃げる?
周囲が動かないと判断を迷う?
警報が鳴っても「どうせまた誤報」とスルーしてしまう?
そうした揺れ動く判断の背景には、私たち自身の「脅威探知システム=防御心理」が働いているのです。
「スモーク・ディテクター原理」──不安は、“備え”としての機能
この心理を説明するのが、「スモーク・ディテクター原理」という進化心理学の理論です。
火災報知器が、火事でないのに警報を鳴らすことがあります。
でもそれはバグではありません。わずかな異常でも反応することで、本当の火事を見逃さないためです。
同じように、私たちが「ちょっと不安」「なんとなく怖い」と感じるのも、
見逃してはいけない危険をキャッチするための“心の備え”なのです。
過剰に感じるその反応も、生き延びるためには合理的だった――
これが、「スモーク・ディテクター原理」の核心です。
でも、防御だけでは“動けない”
とはいえ、常に防御的な姿勢ばかりでは、視野が狭くなってしまいます。
スポーツでも、負けないように守るばかりでは、勝利のチャンスをつかめません。
「備える」「警戒する」だけで終わってしまっては、本当の意味で安全とは言えないのです。
大切なのは、少しの不安に気づける感度と、動くための明確な“すべきこと”があること。
“すべきこと”を明確に伝える能美防災のアプリ
避難所の開設訓練や災害時の初動で「何をすればいいか分からない」という声は少なくありません。
その瞬間、どんなに不安を感じていても、“判断力”が止まってしまうのです。
私たち能美防災の「N-HOPS」は、
そうした状況で「今すべきことを、迷わず伝える」ことを目的とした防災支援アプリです。
特に、避難所の開設訓練などでは、画面を見れば「やるべきこと」「手順」「注意点」がすぐに分かる構成。
誰でも迷わず動けるようにデザインされています。
ほんの少しの不安と、ほんの少しの準備。それが命を守る力になる
備えすぎず、怠らず。
不安を感じたら、ほんの少し行動する。
そのために「すべきこと」が明確に示されていれば、人はもっと自然に動ける。
それが、私たちが目指す防災のかたちです。