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避難所訓練の「経験」はどこに残るのか

とある自治体の避難所訓練に参加させていただき、
運営の様子を見せていただいたときの話です。

訓練が終わった後、担当者の方と振り返りをしていると、
こんな言葉を聞くことがあります。

「今回の訓練、結構いろいろ気付きがあったんですが……」

「これ、ちゃんと残しておかないと忘れてしまいそうですね」

避難所訓練では、その場でさまざまな判断が行われます。

  • 受付の場所をどこにするのか。

  • 物資の置き場をどうするのか。

  • 避難者の動線をどう整理するのか。

こうした判断は、実際に動いてみて初めて見えてくるものも少なくありません。

訓練の中で生まれる「判断」

訓練の現場では、次のような場面を見ることがあります。

「受付は体育館の入口の方がいいかもしれませんね」
「物資はここに置くと動線が重なりそうです」
「この順番で作業した方がスムーズですね」

こうした判断は、訓練の中で自然に生まれていきます。

しかし訓練が終わると、その多くは
担当者や参加者の記憶の中に残るだけ
になってしまうこともあります。

記憶の中にある運営

訓練の振り返りの中で、担当者の方がこんな話をしていたことがあります。

「去年の訓練でも似たような話が出た気がするんですが……」
「誰か覚えている人はいますか?」

避難所運営のノウハウが、
特定の人の経験や記憶の中に残っている。
こうした状態は、珍しいことではありません。

しかし地域では、

  • 担当者が異動する

  • 住民の役員が変わる

  • 参加者が入れ替わる

といったことが毎年起こります。

その結果、訓練の経験が
次の年の訓練にうまく引き継がれない
ということもあります。

訓練の成果を残すという考え方

避難所訓練は、単に実施することだけが目的ではありません。

その中で得られた

  • レイアウトの工夫

  • 作業の順番

  • 判断のポイント

といった経験は、本来、次の訓練や実際の災害時にも役立つものです。

そのため担当者の方の中には、

「訓練で得たものを、後から参照できる形で残したい」

と考えている方もいます。

経験を人の記憶だけに頼るのではなく、
後から再生できる形で残していくこと

それもまた、避難所運営を支える大切な要素の一つなのかもしれません。

N-HOPSが目指していること

N-HOPSには、避難所運営の手順に沿って進めながら、
コメントや記録を残す機能があります。

訓練の中で感じたことや気付きを記録することで、
後から振り返ることができます。

避難所運営は、一度の経験で完成するものではありません。

訓練の中で得られた判断や工夫を少しずつ残していくこと。
その積み重ねが、次の訓練や実際の災害時の支えになるのかもしれません。

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淺野 智雄
淺野 智雄
能美防災株式会社 総合企画室 社内ベンチャーグループ長。 自治体や地域の実情に寄り添った防災のあり方を模索し、避難所運営支援アプリ「N-HOPS」をはじめ、現場の課題から生まれる防災支援ツールの企画・開発・展開に取り組んでいる。 品質管理の現場からキャリアをスタートし、その後は中長期ビジョンの策定や新規事業開発など、経営と現場をつなぐ役割を担う。現在は自治体職員や地域の関係者へのヒアリング、避難所訓練への参加などを通じて、実際の運用現場から得た知見をもとに、防災の実装に関する情報発信を行っている。現場で起きている小さな迷いや工夫に目を向けながら、「誰でも動ける避難所運営」を実現する仕組みづくりをテーマに活動している。 趣味は料理・読書・筋トレ。朝の運動で一日を整えるのが日課。